※注意※
性描写を含みますので、閲覧の際はご注意ください。
14話「誰も見ていないよ、僕以外は誰も」後(上田~奥州間)の番外編です。
読まなくても本編に影響はありません。
奥州へと戻る道中、政宗とらは温泉宿で束の間の休息をとっていた。往路と異なり、帰りは山道が多いため日数がかかる。宿場で寝泊まりするのも悪くないが、政宗は昔から馴染みのこの温泉にを連れてきたかった。

「温泉に入れるなんて思ってもいませんでした!露天風呂があるんですね。最っ高」

綻んだの横顔に政宗は口角を上げた。ここまで喜ばれるとは想定外であったが、気分がいいものだ。
それもそのはず。の時代で当たり前に存在していた風呂は、この時代にはない。湯浴みといった習慣はあっても湯船に浸かる機会とはお目に掛かれていない。温泉があるとは聞いていたが、無理を言ってまで湯に浸かりたいとはも思っていなかった。しかし、こうして目の前にすれば、やはり喜びを隠せない。
旅の疲れを癒そうと、温泉を心待ちにするであったが、それを眺める政宗の目はどこか悪戯だ。普段のであれば、何か企みがあるのではと危惧していたが、今は温泉を目前にして浮足立っている。些細な変化に気付くことができなかった。

その温泉宿は、の時代であればテレビで紹介されてもおかしくない、古風で品のある昔ながらの宿だった。この時代にしてみれば、最先端の様相であるのだろうが、にとっては趣のあるそれに違いない。案内された一室も畳の香りに満ちていて、の気を良くするには十分すぎた。

「ねえ、政宗さん、あの、早速で恐縮なんですけど、温泉に入って来てもいいですか?」
「ああ、勿論だ。楽しみにしていたんだろ?行って来いよ」

おずおずと窺うような口調で政宗に尋ねたは、政宗の快い了承に尚、顔を綻ばせた。
身支度を終えたは仲居の案内に従い温泉へと向かう。その足取りはうきうきと軽いものであったが、それも露天風呂へと足を踏み入れ、湯に浸かるまでの短い一時のことであった。

「Hey, やけに上機嫌じゃねえか。そんなに湯治が好きだったとはな」

は目を疑った。夜空を仰ぎ、満天の星空にうっとりしながら湯へ足を漬けたところで、政宗の声が聞こえ、まさかとそちらに目をやれば、岩に背中を預けて腕組みをしている政宗の姿が、幻聴ではないことを示している。
もちろんは裸であるし、政宗とてそれは同じだ。互いに裸を見たことがないわけではない。政宗とはそういった仲だ。しかし、灯りを消した暗い室内とは異なり、ここは野外で、それも星や月明かりのおかげで視界は悪くない。

「ま、ま、ま、政宗さん・・・?!何をしているんですかっ」
「何って見りゃ分かるだろ。湯治だ。気持ちいいぜ?も来いよ」

どうにか両手で体を隠しながら思わず後ずさりしたに構うことなく、政宗は立ち上がり、の腕を掴んだ。腕の自由を奪われてしまい、隠すものがない。いやだいやだと腕を上下に振ってみせるが、政宗にとって効果があるわけがない。

「Don't be shy. 今さら恥ずかしがる仲でもねえだろ?」

抵抗も虚しく、ぐっと引き寄せられたの顔は本人の意に反して政宗の胸にしっかりと押し当てられている。羞恥心で、は爆発寸前だ。あまりの恥ずかしさに泣けてくる。離して、とどうにか抗ってみたが、涙ながらのか細い抵抗は、政宗の加虐心を煽るだけだ。

「可愛い顔して見つめてくれてんな。手籠めにされてえのか」

くつくつと喉を鳴らし、政宗は口元を悪戯に歪めた。
ぴたりと密着した互いの体は、知らない体ではないが状況が違う。こんな、開け放たれた空の下、それも自然がもたらす光のおかげで視界はクリアだ。身を隠す手段もない。

「逃げ場はねえ。もう観念しちまいな、honey?」

徐々に湯の中へと引きずり込まれ、腰まで浸かったところで耳朶を甘噛みされる。思わずびくりと肩が跳ねたところへ、やたら色気を含んだ低い声音が耳の中に注ぎ込まれた。こうなってしまえば、もうに逃げ道はない。政宗の気が済むまで、その身を捧げる他ないのだ。

向きを変えさせられ政宗の胸に背中を預ける姿勢をとらされた。そして、の腰をぐっと抱き寄せていた政宗の手は徐々に位置を変えていく。上へ上へと這い上がるように撫でるように昇り進めていけば、片方の膨らみをやんわりと掴んだ。きゅっと口を結び堪えていただが、先端を執拗に攻められてしまえば嫌でも唇は開き、甘い声が漏れ始める。

「ん・・・、や、だ、」
「嫌じゃねえだろ?こんなに立たせやがって」

先端を指先で弄び、の耳に甘い声を注ぎ込む。見てみろ、と背後から両手で乳房を揉みしだきながら、その変化を見せつけようとした。しかし羞恥からは目を閉じ、いやいやと身をよじる。

「そうかい。なら、もっと分かり易くしてやろうか」

左右の先端をぐいと摘み、指先でぴんと跳ねてやる。それを幾度も繰り返しては、また乳房をやわやわと揉みしだき、硬さを増していく先端への攻撃を続けた。どうにか堪えようとしていたも次第に制御が利かなくなり、政宗の指先のリズムに合わせて声が漏れていく。

「あ、ああ、や、そこ、ば、っかり、ん、も」
「へえ、他も触ってほしいってか?」

背後から首筋に舌を這わせ、息の荒いに政宗は問う。しかし声は抑えられなくとも、理性がまだ働いているには、それを肯定することなどできない。徐々に押し寄せる快楽の渦に戦慄しながらも、どうにか、いやだ、と首を振ってみせた。

「遠慮すんなって。こっちはどうなってんだ?教えてくれよ」

政宗の手が太股へと伸びる。はどうにか逃れようと身をよじってみたが、そうはさせまいとあっけなく捕らえられた。下半身は湯に浸かっているものの、の秘所からはとろりと蜜が溢れている。湯の成分とは異なるそれに口の端を釣り上げると政宗は自身の指先に絡ませ、掬い上げてみせた。

「なあ、見てみろよ。の中から、こんなモン出てきてんだぜ?」

の視線の先に指先を持っていくが、はそれを直視できるわけもなく、いやだ恥ずかしいと顔を背ける。頑なに目を閉じたままのに政宗は口笛を吹き、徐にの腰を掴むと湯から引き揚げた。湯船の役割を果たしている大きな岩の一つに腰掛けると、開いた両足の間にを座らせる。なに、とが振り返り不安げな視線を政宗に送ったところで、政宗は再び秘所へと手を這わせた。
外側からただ触れていただけの動きが次第に変化し、ずぷりと耳を塞ぎたくなるような水音を立てて二本の指を押し込まれる。骨ばった手の平がの秘所を包むように刺激を与える。あまりの羞恥からは足を閉ざそうと試みるも、そうはさせぬと片方の手で政宗がの膝を持ち上げ、ししどに濡れている秘所を露わにさせる。その間にも、二本の指による刺激は休むことなくを追いつめている。

幾度も体を重ねた仲だ。の弱い所を政宗は知り尽くしている。の体が大きく跳ねる、ある一点ばかりを執拗に攻め続け、の快楽を誘う。官能的な涙を流しながら、あああと声を漏らすに政宗の我慢も限界だ。一度が達してしまうのを見届けると、再びの腰を掴み、くるりと向きを変えさせた。前触れもなく視線がかち合ってしまい、快楽により消えかけていた羞恥心が再びに蘇った。

「そろそろ、いいだろ?」

返事など聞く気もないくせに。形ばかりの問いには「はい」も「いいえ」も言わない。頷くことも、首を振ることもしなかった。ただ、ただ、顔を上気させて俯くばかりだ。
しかし、そんな小さな抵抗も政宗に熱を与える。伏せられた睫毛が艶めかしく、瞼に軽い口付けを落とせば、それは始まりの合図だ。掴んだ腰を一度持ち上げ、十分に硬さを持った自身を宛がった。入り口に触れただけで、びくりとの肩が大きく揺れる。

も限界ってワケかい。いいぜ、待ってろよ」

ぎらりと、さながら獲物を捕らえた肉食獣のような視線には思わずびくりと肩を震わせる。その様子にくつくつと喉を鳴らしたかと思えば、政宗は硬さを増した自身をぐいぐいと押し進めていった。散々焦らされて火照ったは、それを容易く受け入れ、ずぶずぶと卑猥な音を撒き散らす。その間にも、の口からは甘い嬌声が次々と漏れていく。

「いやだいやだと泣いてたわりにゃ、こっちは素直じゃねえか」

ぐいっとの腰を持ち上げては下ろし、持ち上げては下ろし、それに合わせて政宗も下から突き上げるような律動を始める。最早はされるがまま体全体を揺らされ、自然と腰を動かせていた。何度も何度も、肉と肉がぶつかり合う音、そしてぐちゃぐちゃと淫靡な水音を立てながら、その音が耳に届けば更に火照りは増し、の頭の中は焼け焦げてしまいそうだった。

「どうだ?気持ちいいか?」
「ん・・・、はっ、あああ、んんっ」

政宗の問いにまともに答える理性すらには残っていない。政宗の律動に合わせて、ただ嬌声を上げることしかできない。それを見つめる政宗の目は獣のように光っていて、収縮するの中に反応し思わず、くっと低い声を漏らした。

「ンな、締め付けんじゃ、ねえよ。・・・まだ、足りねえのか」

政宗の息も荒く、限界が近いことを示している。目の前でたわわに揺れる乳房の先端をぱくりと口に含みながら、休む間もなく攻め続ける。がつがつと喰らうように繰り返される律動は、を快感の渦へと誘い込み、あられもない声を上げながらは一足先に絶頂を迎えた。の力が徐々に抜けていく様を眺めながら政宗は、一度ゆっくり引き抜き、勢いをつけて挿入した。の体が弓なりに撓る。

の欲しいモン、全部くれてやる、よ」

再開された激しい律動は政宗の吐精を促し、その熱い欲は全ての中に放たれた。体内にどくどくと注ぎ込まれる感覚をは知っている。達したことでようやく政宗の猛攻も治まり、は息を荒げながら呼吸を整えようとする。しかしそれも、政宗が食らいつくようにの唇を塞いでしまったことで、は再び息苦しさを覚えるのだ。



「Hey,

は返事をしない。あれほど心待ちにしていた温泉が一変してしまったのだ。怒るのも無理はない。
政宗から離れ一人静かに温泉を楽しもうとしたが政宗はそれを許さずの体を引き寄せ、相変わらず密着させている。耳元で何度も呼びかけてみたが、はうんともすんとも言わず、プイと顔を逸らしたままだった。

「Ah, その、悪かったな。一緒に入るかなんて言えば、当然嫌がられるだろうと思ってよ。待ち伏せてみたんだが、アンタがあまりに可愛い反応してくれるモンで、俺もつい、な」

珍しく歯切れの悪い政宗に、はじろりと視線を投げつける。口を聞いてやるつもりはなかったが、普段の政宗からは想像できぬほど困ったような顔をするものだから、段々との怒りも小さくなっていく。

「今回だけですよ」

仕方なしと呆れた風を装って、ぽつりと言い含めてみせる。すると、待ってましたと言わんばかりに政宗はの顎に手を掛け、騙されたと気付いたがまた顔を逸らしてしまう前に、その柔らかな唇を奪ってしまった。
は、二度と許してやるもんかと誓いを立てながらも、結局政宗には敵わないのだろうと諦めてしまうのも、事実だった。